発行日:2025年6月2日
定価:1,100円(税込)
● シリーズ日本の伝統『西陣織』
● 食とギフト-地域の伝統食と食の未来-
● シリーズキダルトの世界『大人を魅了する雑貨』
● IPとギフト
● 海外見本市レポート タイSTYLE Bangkok2025、広州交易会、香港ギフト&プレミアムフェア
インバウンド・輸出が拡大する中で、小誌では日本の伝統的なものづくりやその流通に焦点を当てた特集を展開してきた。
3月号では伝統織物産地に加え地域ブランド、町工場、また日本の優れた商品を発掘・販売する企業などの取り組みを紹介する「日本の良きもの」を展開。
4月号では播州織や瀬戸焼、西陣織などを取材した「日本の伝統 世界へ」を、5月号では東京のものづくりに焦点をあてた。
今号では改めて「西陣織」に焦点を当て、西陣織工業組合と京都府 商工労働観光部 染織・工芸課に取材。西陣織の現状と可能性について追求した。
ギフト流通業界においてますます食品への注目が高まっている。
その販路も従来の食物販店だけでなく、雑貨店やセレクトショップ、あるいは書店まで広がってきている。一方で米の高騰なども報道される中で、「日本の食」や「伝統食」についての注目も集まっている。
そうした中で、今回は、この9月3日~5日に開催される第38回グルメショー秋2025の出展社である遠忠食品(株)、鈴木本店(株)/(株)京乃晴れ姿、(株)まるじょう、吉岡食品工業(株)の食ギフトの逸品を中心に、「日本の食」「地域の食」を守り、育て、そして革新を続ける最前線の取り組みをレポートする。
食ギフトにはまだまだ可能性がある。小誌ではグルメショーとともに、それを応援していきたい。
本誌「キダルトの世界」シリーズでは、キダルト(子ども心を持った大人)という新たな消費者層を取り上げ、従来子ども向けと認識されていたものを大人が積極的に消費するトレンドについて紹介してきた。
24年12月号ではキダルト×トイ、25年5月号ではキダルト×ぬいぐるみを特集し、今号ではキダルト×雑貨をテーマに、雑貨領域におけるキダルトの影響を探る。
「雑貨はもともと大人も対象とするものでは?」と考える読者もおられるかと思うが、子ども心を忘れずに自分の好きなものを本気で楽しむ姿勢を持つ大人が増えたことで、雑貨領域においても従来の大人向けの商品開発、販路開拓の動きに変化が出てきている。
今号では、大人をも魅了する雑貨、ホビー商品を扱う、ギフト・ショー常連出展社の2社に話を聞いた。
IP(Intellectual Property 知的財産)とは「アイデアや創作物が生み出す権利の総称」のこと。著作権や商標権といった法的な枠組みに留まらず、物語の世界観、設定、登場人物、楽曲、デザインなど、コンテンツを構成するあらゆる要素が持つ「価値の源泉」を指す。
ギフト、雑貨の業界では、IPという言葉が一般的に使われる以前は、工業生産物に型や模様等を付し,人の嗜好(しこう)に合うように工夫したものを指す「意匠(いしょう)」という言葉が使われていた。そして小説、漫画、映画、アニメなどのフィクションに登場する人物や動物などの特徴を通じて、読者、視聴者、消費者に一定のイメージを与え、かつ商品や企業などに対する誘引効果を高めるものの総体として「キャラクター」という言葉を使用していた。
IPと意匠、キャラクターの線引きは難しく、人によって使い方は様々であるが、「知的財産」を使用することが、ビジネスの領域を拡大、差別化させる原動力になることは間違いない。
今月号では、クラシックなステッカーのデザインをIP化(製品化)することで、世界観を広げ拡販を狙うプラザスタイル、没入型アートエンターテインメント「HOKUSAI」で、日本生まれのIPの可能性を世界に問うギークピクチュアズ、世界を代表するIPの売り場拡販策を仕掛けるソニー・クリエイティブプロダクツ、IP集積で全館の売り場を構成したキデイランド新宿店、ミッフィーというオランダを代表するIPを施設再生の鍵として活用したハウステンボスの例から、IPを活用したビジネス展開を探った。