発行日:2025年7月1日
定価:1,100円(税込)
● 第100回ギフト・ショー記念特集 ギフト・ショーのこれから
● 葬儀ビジネス関連ギフトの現状と課題
● 文具業界のレトロブームはキダルト現象にも通ずる
● インクルーシブフードギフト
● アウトドア雑貨企業の今
ギフトとは、愛だ。誤解を恐れず言えば、愛だ。
誰かを想うこと、それは平和を祈る心ともリンクする。
いよいよこの9月3日(水)、4日(木)、5日(金)に、東京ビッグサイトで「平和と愛の贈り物」をテーマとして「第100回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025」が開催される。小誌ではそれに合わせ、今号から3カ月連続で「第100回ギフト・ショー記念特集」を展開する。
その第1弾となる今月号では、主催者である㈱ビジネスガイド社 代表取締役社長 芳賀信享、2020年以降、コロナ禍以降に新たに社長に就任した注目出展社経営トップへのインタビューから、ギフト・ショーの実像と“これから”に迫る。
さらに、関連企画「日本の伝統特別編」として有力出展団体である愛知県陶磁器工業協同組合中野昭雄理事長への取材を敢行。そしてギフトの雄であり、第100回ギフト・ショーにも出展、来年100周年を迎えるシャディの矢野輝治社長へのインタビューも掲載した。
ギフト・ショーは、これまで、出展社や来場者とともにギフト市場を創ってきた。
ギフト・ショーは、これからも出展社や来場者とともにギフト市場を創っていく。
文具業界ではここ数年、復刻商品や懐かしい絵柄を配した商品など大人層の心をつかむ商品が多数発売されている。このレトロブームは、本誌が特集してきた新消費者層「キダルト」の動きにも符合する。
今号では、文具卸の株式会社エムディーエスと、人気のレトロ文具を手掛けるメーカー各社への取材を通じて、文具業界のキダルト消費概況と、今大人たちがどのような文具に心を動かされているのかを追った。
日本の葬儀業界は現在、いくつかの大きな変化と課題に直面している。
コロナ禍をきっかけに、家族葬や一日葬、直葬といった小規模な葬儀の需要が大幅に増加。これは感染リスクの回避だけでなく、核家族化や地域コミュニティの希薄化、経済的な理由なども背景にあるため、2024年の調査でも家族葬が依然として半数を占め、従来の一般葬のような大規模な葬儀は減少、葬儀単価も縮小傾向にある。
日本の高齢化は急速に進んでおり、死亡者数は今後も増加し、2040年にはピークを迎えると予測されている。これは葬儀需要の増加を意味するが、一方で地方では過疎化が進み、葬儀件数の増加と地域人口減少が同時に起こり、地域密着型の中小葬儀社の経営は大いに影響を受ける可能性もある。葬儀の件数、規模の増減は、香典返し、進物、献花などの葬儀関連のギフトビジネスも大いに影響を受ける。
今月号では、自動読み取りシステム「即ピット」で、カタログギフトの仏事の即返し需要の新たな開拓を図る大手ギフト問屋のハリカ、返礼品ギフトからスタートし、現在、葬儀の総合ビジネス展開を図る大手製茶メーカー ハラダ製茶、ネット販売、そして既存の量販ルートの深耕に努めるローソク・線香の老舗メーカー カメヤマ 神仏事業部、葬儀用花のギフトの商品単価アップを狙う花のギフト社、返礼ギフト専門業者として、オリジナル製品の製造を柱に業界のレベルアップを図る いなば園の事例から、サバイバルを模索する葬儀ギフトビジネス関連業者の動向をレポートする。
「インクルーシブフード」という言葉をご存じだろうか。
インクルーシブフードとは摂食嚥下(えんげ)障害の有無にかかわらず、誰もが同じ食事を共有できるよう工夫された料理のことを指す。
飲み込む力が弱くなった人のために工夫された料理と言われるとペースト食品を思い浮かべる人が多いかもしれないが、近年では見た目も美しく味も楽しめる食品が増えてきている。
ギフトとしても可能性のあるインクルーシブフードについて迫った。
「夏の季節に、気持ちを託す贈り物」として需要が回復しつつある中元。贈る相手の好み・ライフスタイルに合わせて選ぶ商品と、定番の中元商品を「組み合わせて贈るスタイル」が顕在化している。伝統の贈答文化としての役割に、新たな性格が加わりつつある中元の昨今の流れと合わせて、主要なギフト問屋の今年の中元商戦の企画を紹介する。